夢中パラダイス!?

「おう、それで充分な!」


今度は思いっきり抱きしめてくれる薫。

私もギュッと、薫を抱きしめる。


そして、お互いに言うのだ―――



「姫乃」「薫」


―――愛してる―――





それから、私たちはそれぞれの車へ向かう。

「またな」「またね」


そして学園を後にした。



それから数時間後、薫から電話がかかってきた。


「薫?」

『なぁ、姫乃。今度の23日あいてるか?』


「23日?・・・多分時間はあると思うが。」


『デート、しよ。』


デート。

薫の口から久しぶりに聞いた言葉だった。



当たり前か。

でも、すごく嬉しかった。


「行きたい!どこに行く?」

『姫乃が行きたいところでいいよ。明日学園で教えて。じゃぁまた明日な。』

「うん!また明日!」


電話が切られた後、私はすぐにどこに行きたいか書き出してみた。



行きたいところはたくさんあった。


でも、よく考えてみるとそんなにたくさん行っては、薫が疲れ切ってしまう。

だとすると、日本を発つ日に支障が出てしまうかもしれない。


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