夢中パラダイス!?

ということで、かなり考えた末に、行くところは3か所に縛った。

本当はもっと絞るべきなのかもしれないが、どうしても行きたいところがこの3つだった。


一つ目は、遊園地。

デートと言えばここだろう。



実をいうと、薫と付き合っていた時も行ったことがない場所。


本当は行きたかった。

でも、やはり遊園地と言えば乗り物。



私は乗り物に割とよ弱い。

でも、今回はそうも言っていられない。


最後の思い出づくりとして、行きたいところなのだから。




それから二つ目は、あのカフェ。


今日の薫の話にも出てきたが、私も気にはしていたし、なんとなくあのコーヒーの味が忘れられなかったのだ。


香織と行った場所だが、薫とも行ってみたい。

こんな私はわがままなのだろうか。


でも、ここもちゃんと二人の思い出として、残しておきたい。

だから、外すことができなかった。



それから三つ目は、あの丘。


あの日、薫が鬼城家から出て行ってしまった日に私と柏木が行ったあの小さな丘。



『今度この景色を薫にも見せてやろう。』

そう言っていた自分を思い出した。



だから、今度は本当に薫と一緒にあの景色を見ようと思ったのだ。

こんな機会はしばらくないのだから。


明日、学園でこのことを薫に伝えよう。



ただ、最後の三つ目は内緒にして。

その方が面白いだろう。


薫を驚かせたい。

薫に喜んでもらいたい。


そんな気持ちを胸に、私は眠りについた。


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