夢中パラダイス!?
次の日、学園に向かうと校門のところに薫の姿があった。
「薫!どうしてここに?」
「まぁ、姫乃に早く会いたくて、ってな。」
そんなこと、言われると照れるだろう。
朝から顔を赤くしてクラスに入る私たち。
「お、お嬢様とその執事が来たぜ?」
「前のお嬢様でしょ。姫乃ちゃんは。」
クラスの中では私と薫の話で持ちきりだった。
なかには『ヒューヒュー』『また付き合っちゃうの~?』などと言ってくる奴もいたが。
「で、姫乃」
薫はそこまで気にしていないようだった。
確かに、皆に対応していたららちが明かないからな。
「姫乃~!」
「はっ!?」
「話ししてんだけど。」
「ご、ごめん。」
「いいけどさ。周りのことなら気にすんなよ?何か言われたらすぐ言えよ?」
「うんっ」
こんな風に優しくされたのはいつ以来だろうか。
あいかわらずの薫。
私が大好きな薫。
「さて、姫乃さん。そろそろ俺の話、聞こうか。」
「あ、はい。すみません。」
私も相変わらずだと思う。
薫のことになるとつい、色んなことを考えてしまって・・・。
話を聞いていなくて、怒られるというオチ。
毎回申し訳ないとは思うが、なかなか治せない厄介な癖だ。
「デート、どこ行きたい?」
「昨日考えてきた。えっと、って、そう言えば。」
「ん?」
「凛々香のことは?」