夢中パラダイス!?

「凛々香さん?なんで?」

「だって、執事は?彼氏は?」


「あぁ、そのこと。もう何もない。」


何もない?どういうことだ?



「執事は昨日やめた。というか、凛々香さんがもういいって言ってくれた。」

「そう、なんだ。」


「で、彼氏のことなんだけど。俺、凛々香さんの彼氏したことねぇよ。」



・・・え?


・・・・・・はい?!


「彼氏じゃなかったの!?」

「おう。誰がそんなこと言ったんだよ。ってか、凛々香さんには恋人いるんだぜ?」


「そうなの!?知らなかった。」

「カフェでバイトしてるみたい。」
「カフェ。会ったことあるの?」


「まぁ、な。多分姫乃も知ってると思う。」


私も知っている?

カフェ・・・カフェ?


あ、カフェ!


「コーヒーの!」

「そっ。そこのお兄さん。」
「あの人、学生だったの!?」

「らしいな。ま、いろいろ訳ありみたいだけど。で、本題に」

「すごーい。繋がりがあったんだ~。」
「いや、姫乃には繋がりはないだろ?」

「いや、親近感がわく。」


「はいはい。で、デートのことは!」


あ、忘れていた。

すっかり凛々香の話に夢中になっていた訳だが。
あ、いや、凛々香の恋人のあのお兄さんのことについてだったか。


「どこ行きたいわけ?」


「えっと、」


キーンコーンカーン―――


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