夢中パラダイス!?

タイミング悪くチャイムが鳴り、先生が入ってきた。

「今週ももう終わりです。気を引き締めて頑張りましょう。それでは席について。」


薫も自分の席に戻ってしまった。

口パクで『バァカ』と言いながら。


でも、こう言われても仕方ない。

今回は認めよう。



そして、デートの話になたのはお昼休み。


「さぁて、姫乃さん。もう話しましょうか、デートの件について。」

「はい。すみません。」


たじたじな私。

少し、イライラぎみな薫。


二人の間になんとも言えない空気が流れる。


「行きたい所は三か所あって、まず遊園地。」

「ほぉ。テーバンだな。」


「悪うございました・・・。」
「いや、そんなに恐縮になんなくても。俺も行きたいと思ってたし。」


「なによ、それ!」

「いや、行ったことねぇなと思って。行こうな、遊園地。」
「うん。で、次が朝話してた、カフェ。」


「カフェ。コーヒー飲めるよういなったか?」

少し意地悪な笑みを浮かべて質問してくる薫。

前までの私だ思わないでくれっ。


「飲めます~。」

「嫌みたっぷりですな。」
「ふんっ。いいだろ。薫ほどではない。」

「あ、話し方いつもと同じに戻ったな。」


そう言われて気がついた。


確かに、薫と話す時はできるだけ普通に話そうとは思ってはいるがなかなかそうはいかない、と言うのが前までの私だった。


でも今は、どちらかと言えば普通に話す方が多い。

確かに、そうだ。


「悪かったな。どっちでもいいだろう。」

「だな。どっちにしろ、姫乃は姫乃だしな。」



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