夢中パラダイス!?
これは本当に秘密。
明日のお楽しみだからな。
「あっそ。じゃぁ楽しみにしとくよ。その代わり」
その代わり?
「今日一緒に帰らねぇから。」
え?一緒に帰らない・・・?
「帰らないって、どういうことだ?だって薫は」
「朝言った~!」
朝?何か言いましたか?
なんて、そんなことは言えなくて・・・
よく考えるんだ!
思い出すんだ、姫乃!
と、なんと思い出せた!
「あ、薫帰ってくるんだ。」
「そういうこと。帰れるところ、鬼城家しかねぇし。でも三か所目教えてくれないんなら一緒に帰るのはやめようかな。」
「そんな、でも、言えない・・・から・・・」
どうしてこうなってしまうのだろうか。
ここで言ってしまったら明日の楽しみが・・・
「ははっ。ごめんごめん。ウソだって。」
え?ウソ?
「帰るよ、一緒に。一緒に帰りてぇし。」
「でも、教えら」
「わかってる。楽しみにしとくって。姫乃が行きたいところだろ?なら変な所じゃなさそうだし。」
「変なところ?」
「ま、そこは気にすんな。さて、教室戻るか。」
一人先に戻ろうとする薫を追いかける。
そして・・・
「っわ。姫乃。」
「・・・いいだろ。」
「そこは『いいでしょ?』って言ってくれた方が萌えたな。」
「うぅ。ケチ!」
「あはっ、ごめんっ。行くか。」
私と薫は手を繋いで教室へ戻った。
皆は「やっぱり~!」などと言っていたが気にはしなかった。
別によいだろう。
付き合っているのだから。