夢中パラダイス!?
「まったく。誰に似たんだ・・・」
「あははっ」
皆が笑った。
こうやって笑いあうことは、あと何回あるのだろうか。
またこうやって、皆で笑いあえたらいいな・・・―――
それから、私の部屋へ向かう。
父さまや母さまたちはまだ話をするらしい。
「二人は上でゆっくりしておいで。」
父さまがそう言ってくれた。
また、薫との時間ができると思うと嬉しくて仕方なかった。
「姫乃」
「なに?」
「抱きしめてもいいか?」
「うん。いい・・・えっ、わぁっ!」
幸せに浸っていたら、勝ってに言葉が出てきていた。
私の体は薫の中にスッポリ収まってしまった。
「薫っ」
「苦しいか?」
「苦しいっよ!」
「俺も、すっげー苦しい・・・」
「え?」
薫が苦しいというのは少しおかしい。
私は今薫の中にいて、薫に抱きついてはいない。
だとすれば、何が苦しいのだ?
「明日で最後だな。あっちで俺頑張れっかな・・・」
「いつになく弱気だな。」
「あぁ。皆弱いんだよ。強がって見ても、やっぱり弱い。」
それは、薫があのとき教えてくれたこと。
今でもちゃんと覚えている。
きっと、これからも忘れることはない。
「頑張れ、としか言えないけど。頑張れ、薫・・・」
「あぁ。最高の男になって帰ってくるよっ。」
更に強く抱きしめてくれる薫。
苦しいけど、薫にうんっと近付ける。