夢中パラダイス!?
「どこにもいないぜ?」
「でも、確かにさっきまで一緒に」
「それより姫乃!見つかったのか?シロは!」
「シロ・・・はまだ・・・」
まだ見つかっていないのか。
シロ、どこへ行ってしまったんだ・・・。
香織も・・・皆どこへ?
「とにかく、いったん戻ろう。柏木さんと柏野に任せてあるから。」
「父さまと母さまは仕事へ?」
「あぁ。さっきな。」
「シロ・・・」
「きっと、大丈夫だ。見つかるって。」
「・・・うん。」
二人で部屋に戻ると、ベッドに座った。
それでも私の気分は先程と変わらず落ち込んだままだ。
このままシロがも戻ってこなかったら、そう思うと不安で仕方なかった。
コンッコンッ―――
その時、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「シロ・・・?」
ドアへ駆け寄り、開ける。
そこには、シロがいた。
「シロ!」
「えっ、シロ!」
『ハァッ、ハァッ』
かろうじて立ってはいたが、今にも倒れてしまいそうだった。
「どこに行ってたんだ、シロっ」
「姫乃、ちょっと見せて」
薫がシロの容体をみる。
「これ、そうとう疲れてるぞ。すぐに薬飲ませて休ませないと。」
薫がシロを抱き上げてハウスへ向かう。
その途中に柏木に会い、薬を持って来てもらうように言った。
薬を飲んだシロは、すぐに眠ってしまった。
「シロ・・・」
「帰ってきたな。」
「うん・・・」