夢中パラダイス!?
「そうだ、姫乃。シロの様子を見てきなさい。元気になったぞ?」
頭上で父さまが話してくれた。
シロはあの後、薬を飲んでしっかり寝たおかげでだいぶ元気になったらしい。
ハウスの周りを小走りするほどに元気になったらしい。
「姫乃に会いたいんじゃないか?シロも。」
「・・・うん。」
「そんな泣き顔で行くとシロが驚くぞ?」
「・・・っはい。」
涙を拭いて、シロのいる部屋へ向かう。
中に入ると、そこには―――
「え!?」
「お帰りなさい。お嬢様。」
「香織!」
香織がいた。
「とにかく、扉を閉めましょうか。」
そう言って静かに扉を閉める香織。
どうして、またここに香織が・・・。
「お嬢様は気になっているでしょう。僕のこと。」
「香織は、本当はっうぐっ」
「その先は言ってはいけません。」
どういうことだ―――
「お嬢様の考えはおそらく正しい。」
私の考えが正しい?
なら、香織は、やはり―――
「でも、このことはご自分の中での秘密です。」
「香織は、なぜ、いや。そんなことできるはずがないだろうっ。人間だぞ?」
「人間ではないとすれば、簡単なことです。」
「そんなことっ」
「とにかく、今日はお礼が言いたくて来ただけです。」
「来た?」