夢中パラダイス!?
あぁ。なんということだ。
どうして私は正直になれないのだろうか。
確かに薫に言いたくて言ったわけではないのだ。
しかしそれを聞かれたとなると・・・。
薫は黙ってしまった。
このままの空気では居心地が悪い。
どうにかしてこの空気を元に戻さなければ。
「そういうところがまた、可愛いんだよな。」
・・・・・・
今、私の耳に聞こえた言葉は何かの空耳だろうか。
可愛い、という単語が私の頭の中を埋め尽くしていく。
「薫。今、何か言ったか?」
「あぁ。勝手に口から出ただけだから。」
「そうか。薫も勝手に口から・・・って!放して!?」
そう。
いつの間にか私は薫の腕の中にいるわけで。
いつから?
そうだな。おそらく・・・
先程の可愛い、という単語が私の頭の中に飛び込んできたあたりからか。
「ん~。勝手に腕が動いて~。放せねぇ。」
「そんなわけないだろう!」
「姫乃がその話方をやめるなら、放すかもな。」
「うっ、わ、わかった。・・・薫、放して。」
「しかたねぇな」
そう言って私の体から薫の体が放れて・・・?
「かお、る?」