夢中パラダイス!?

「俺といて幸せ?」


「え?」


「俺のこと好き?」


「なんでそんなこと、聞くの?」

「答えて?俺のことどう思ってるか」


私を抱きしめていた薫の腕から少し力が抜けた。


そっと顔をあげて薫の顔を見た。

薫はなぜか少しだけ悲しそうな顔をしていた。


「姫乃は」

「なんでそんなこと聞くの」


「聞きたくなったから」


「そんな気まぐれ」

「気まぐれじゃない。」


遊び半分で聞いているのかもしれないと思ったがそうではなさそうだ。


薫の目はしっかりと私に向けられていた。

真剣に、まっすぐに、その瞳に私だけを映していた。


「姫乃、俺のこと、本当に好きか?」


「・・・・・・」


「姫・・・って、お前な。」


今のこの状況をどうしたらよいのか全く分からない。


でも、だからなのかもしれないが私の目からは涙があふれていた。


この後薫に何を言われるのか。

好きと言えば、どんなことが起きるのか。

もしかしたら、薫は私のことを・・・。


本当は凛々香のところに行きたいのかもしれない。


そんなことを考えていると、余計に涙の勢いは加速した。


「泣かなくてもいいだろ?」


「だ、だって・・・」

「そんなに言いたくないわけか?」
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