夢中パラダイス!?
「せ、説明して?」
「そんな、可愛い感じに言っても無理。バカじゃないならわかるだろっ?ね、姫乃っ」
「うっ・・・」
この男、やはり私は遊ばれているのか。
こんな女だからな。
遊ばれても仕方ないだろう。
はぁ・・・
「姫乃~」
「・・・・・・」
「無視なわけか。」
「俺、今日すげー姫乃の名前呼んでるな。」
「だからなんだ。」
「俺が一番好きな名前だから、たくさん呼べて嬉しいってこと」
「・・・・・・」
「また無視・・・って、ほらまた」
だって、そんなこと言われて嬉しくないわけないだろう。
ただでさえ今は涙腺が緩んでいるというのに。
次々と流れ出す涙が止まらない。
「俺はさ、ただ姫乃に好きって言ってほしかっただけ。確かに気まぐれかもしれねぇけど、それでも好きな女に好きって言ってほしいって思うのって普通だろ?でも、姫乃は言ってくれねぇし、だから段々不安になってきたんだ。」
涙でうまく薫の顔が見えない。
薫は今、どんな顔をしているのだ?
「不安で、仕方なかった」
「ふ、あん?」
「そ。姫乃に本当に好かれてる自信がなかった。」
「そんなこと!」
「わかってる。ってか、今わかったからさ」
そう言うと、薫は窓の方へと近づいた。