夢中パラダイス!?
「姫乃」
「・・・?」
「ひめの」
「なに?」
「ひ~め~のっ」
「だから、な」
「名前、呼びたいなって。・・・こっち来いよ」
何度も薫が私の名前を呼ぶ。
そんな薫が・・・
薫の声が・・・
腕が・・・私は―――
「早くっ」
薫が少し、腕を広げて待っている。
私は、そんな薫の傍へ行き、また薫に抱きしめられる。
パチッ――
「きゃっ」
抱きしめられるのとほぼ同じとき、部屋の明かりが消えた。
「え?何?なんで消えちゃったの?」
「落ち着け、姫乃。電気が消えただけだろ?もう少ししたらつくって。」
「・・・うん」
いつもならきっと、大騒ぎしていただろう。
でも、今は傍に薫がいる。
だから安心できる。
「姫乃、見てみな」
「え?」
薫が指をさした方を見ると、そこには小さな光たちが瞬いていた。
そこは窓の外。
光り輝く小さな星たちが、美しく輝いていた。
海もまた、日中とは違い、幻想的だ。