夢中パラダイス!?

コンコンッ―――


そのとき、また部屋のドアをノックする音が聞こえた。

もしかして、父さまと母さまが!


涙を拭いて、急いで扉を開けた。


そこにいたのは・・・



「・・・キミか・・・」


「お、じょう、さ、ま?」

「・・・っ」
「えっ」


止められなかった。

私の感情を。



ただただ、涙を流した。
自分の気持ちをきれいさっぱり洗い流すように。


「お嬢様、どうされたんですか」

「うっ・・・ぅるさい!出ていけ!この部屋に誰も来るな!!」  バタンッ―――


勢いよく閉めた扉。

大きな音が部屋中に響いた。


そして、私はその場に泣き崩れた―――



気が付くと、寝ていた。

しかし、そこはベッドの上。


私は確か、扉の前で泣き崩れて・・・そこで泣き疲れて寝てしまったはず。


ということは、誰かがベッドまで運んでくれたのだろう。


今は一体何時なのだろうか、そう思い時計の方へ向こうとしたとき、あることに気が付いた。


それは・・・


「・・・っ!なっ!!」


おそらく、いや、絶対私をこのベットに寝かせた張本人。

「こんなところで、一緒にいてくれたのか。」


ベッドわきで寝息を立てている男。

< 48 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop