夢中パラダイス！？

まったく、分かっていて隠そうとしているのか本当に分かっていないのかよくわからないが。



きっと、妬いていることは確かだろう。


そんな薫を見ていて少し意地悪がしたくなった。


「薫っ。」

「ちょっ、えっ、姫乃！？」


私が何をしたのか。




それは・・・


思いっきり抱きついただけだが？



ん？どこで？学園のど真ん中、だが？


「姫乃！ここ、学園！」

「あぁ。知っている。」


おっと。つい話し方が。


薫の顔を見ると思った通り真っ赤だ。

いじめるのはこれくらいにしておこう。


家に戻ってから、何が起こるかわからないからな。


「よし。そろそろ行こうか。」



「はぁ。姫乃・・・」


薫の手を握り歩きだす。

そして、私たちの教室へ着いた。

目の前には真っ白いドアがある。



このドアを開け、ようとしたが、そのとき聞こえた薫の声で私は教室に入ることができなかった。



薫はといえば、そのまま入って行ってしまい、私は一人たたずんだまま薫の口から出てきた言葉を、頭の中で何度も繰り返していた。




「お嬢様。さっきのお返しは帰ってからじっくりとさせていただきますね。」


キーッ　カチャンッ―――