夢中パラダイス!?
「シロは・・・いるのか?」
「・・・どこかに、きっと。」
「探してくれないか、シロを。」
「なぜです?」
香織を見ると、真剣な眼差しで私を見ていた。
その目は、シロを探す理由を求めているらしい。
しかし、探すことなど当たり前のはずだ。
シロは私の―――
「なぜって、シロは薫が私にくれた大切な宝物だからだ!」
「・・・そうですか。わかりました。では、探しましょう。ですがお嬢様。先に食堂へいってください。私はシロを探していきますから。」
「本当に、シロを探してきてくれるか・・・?」
「はい。必ず。」
「・・・わかった」
そして、私は大ホールから出ようとした。
その時、後ろから香織の声がした。
「お嬢様」
「なんだ?」
「先程の質問ですが。お嬢様によく似たお花は何かわかりますか?」
「・・・・・・」
「それは」
「「バラ」」
「バラであろう。それは自分でも自覚している。余計なお世話だ。では、シロのこと頼んだぞ。」
「・・・はい。」
シロは、犬正シロではない。
あの執事は犬正香織なのだ。
そんなことを考えてホールから出ようとしていたとき香織が言った一言は私の耳には届かなかった・・・
『すみません・・・お嬢様・・・』
『クゥン・・・』