蒼い海





苦笑した雅志の声に、ようやく倉庫内の時間が動き出した。





「っ、…あぁ」



応えたのはハルで、友佳が頷くと



「マナミもアキラも好きなトコ座りな!」



そう言って入り口付近で立ち尽くしていた少女と、その傍らに立つ少年に声をかけた。




(おぉ…コレまたイケメンなヤツが…)




友佳の言葉に南中のヤツらが、各々いつも座る場所に向かう。



その後に続く二人の姿をじっくりと俺は眺めていた。



雅志は俺が座っているソファーまで来ると
「お前、見過ぎ」と笑って隣に座った。




『って、…』




(見惚れてソレどころじゃなかったけど、あの二人は誰なんだよ!?)




と言うつもりで口を開きかけた俺。





「高山 愛海です。」



凛と響いた声に遮られた。



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