蒼い海





俺達がいるソファーの何歩か手前で立ち止まり、未だ自分達を見つめている連中にも聞こえる様な大きさの声で、名前を告げた。





「…高山って…」



何処からか聞こえた声に



「空さんの妹だ」



雅志が得意気にそう言った。





『「えぇ〜っ!!」』




倉庫内に俺達の叫び声が響いた。






『えっ、空さんって妹いたの?』



焦って訊ねる俺に、雅志は笑いながら



「あぁ、隠してたんだと…」



そう言い、チラリと視線を誰かに向ける。




「リュウに頼んでバレないようにして、な。」




< 131 / 132 >

この作品をシェア

pagetop