蒼い海
俺達がいるソファーの何歩か手前で立ち止まり、未だ自分達を見つめている連中にも聞こえる様な大きさの声で、名前を告げた。
「…高山って…」
何処からか聞こえた声に
「空さんの妹だ」
雅志が得意気にそう言った。
『「えぇ〜っ!!」』
倉庫内に俺達の叫び声が響いた。
『えっ、空さんって妹いたの?』
焦って訊ねる俺に、雅志は笑いながら
「あぁ、隠してたんだと…」
そう言い、チラリと視線を誰かに向ける。
「リュウに頼んでバレないようにして、な。」