蒼い海
我に返った先輩達が二人を囲むと、止まっていた時間が動き出したかのように少しずつ喧騒が戻ってくる。
「マナミちゃんとアキラくん…やっぱりすごい目立ってるね。」
どこかの集団から聞こえた話によると、
あの二人は、新入生――――――つまり同い年の中学一年生という事で。
(えぇっ!あんなに大人っぽくて身長も高くて…)
制服に着られている自分とは違い、あまりに馴染んでいた二人の姿に沙希は溜め息を吐く。
「おーい、新入生は自分のクラスを確認したら各自教室に入ってくれー!」
と、教師と思しき男性の声が聞こえた。