蒼い海
どかっと机に座り込んだ雅志を見上げながら、友佳が尋ねる。
「空さんからメール。放課後、中庭に来いって。」
雅志は、冬休み中に染め直した髪を触りながら話す。
『アタシとアンタだけ?』
空さんからの呼び出しと聞いて、ドキリとする。
「おぉ。二人で来いって。」
どうやら雅志も呼ばれた理由が気になるのか、セットが少し乱れる程髪を弄っている。
周りにいた仲間も
「何かあったのか?」と話し出したが、全く思い当たる節が見つからないまま、午後の授業が始まった。