蒼い海
「おーおー、また大人数で来やがって」
先輩達のいる奥まった座席へと歩いていたら、カウンターの奥から一人の男性が出てきた。
その男性は見た感じ三十過ぎ位、ワイルドな雰囲気と子供の様な笑顔を持っていた。
「へへっ、だって信(ノブ)さんのメシうまいから」
雅志先輩がニコニコ笑う。
信さんと呼ばれた男性も笑いながら
「ったく、調子いいんだから…」
ブツブツ口先で悪態をつく。
「……ん?」
信さんと呼ばれた男性はふと、こちらを見ると目を見開いた。
正確には、愛海を見て―――だ。