後ろ姿の誘惑
「あ、起こした?」
そこに彼はいた。
シャワーを浴びてきたのだろう。
上半身裸のまま、首にタオルをかけて。
リビングのソファーに座ってビールを飲んでいた。
「ん…ゴメン、寝てた」
「いーよ。半分は俺のせいだし」
「…バカ」
数時間前までの妖艶な姿とは違って。
無邪気な笑顔を見せる彼。
「…ビール、飲む?」
「うん」
自分のビールも空になったのか。
手にしていた缶をそのまま持ち。
彼はキッチンへ歩を進めた。