スコープ
「マリネを頼んであるの。それをいただいてからでいいかしら?」


「もちろんです。私もノンアルコールのカクテルでもいただきましょう。雅紀。」


「はい」

雅紀と呼ばれた
美春に太陽のカクテルを作った
黒い短髪の青年は
親しみのこもった笑みを浮かべた。



「アルコール入ってないものを」


「かしこまりました。」

雅紀はいたずらっぽい笑みこぼした。

「今日は綺麗な人と一緒なんだね。蝶みたいな方だ。」

そして優しい目を
美春におとした。

先程よりも親しみを感じられる。




「先にマリネを。サーモンとパプリカのマリネです。」



真っ白な四角い皿に
サーモンがバラを咲かせて
そこに色とりどりの
パプリカ、
パセリ、
オニオン、
レモン。

四角い皿の角に、オニオンで作った蝶が待っていた。


「綺麗…」

美春の目がキラキラした。


「美しい冒険家に蝶を飾って見ました。」

雅紀は微笑んだ。
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