スコープ
25年間


25年間美春はそれで生きてきたのである。


部活だって腕が太くなったり脚が太くならないか
まわりの子と心配して何も入らなかった。

自分から遊ぼうとか

何かしようと提案することもなかった。



誰かと積極的に交流を楽しもうだなんて考えたことなかった。


誘いはくるし、少しいじめられたりだとか、習い事や、パーティーかなんかが、


ひっきりなしにあるから



そんなこと気にしなかった。




美春はぞっとした。






一生に一度しかない青春時代と呼ばれるものは


去ってしまったのである。










そう。



だから


だから



あのとき父と喧嘩したのだ。
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