スコープ
「どうせ

軽く生きてきたこと

流されて生きてきたこと

今まで部活もせず、
自分の意思で
何かすることをせずいたことを
悔いてらっしゃったのでしょう?」


浦西は当たり前のように言う。


「…こころの中でも見えるの…?」
美春は珍しいものをみるかのように浦西を見つめた。


「…私はお嬢様と旦那様の口論をみておりました。」


「………」

美春はギュッと手の平を握った。

美春はまだ父を許していない。





「お嬢様っ」

浦西は美春の手をひいた。

「ちょっとっ!どうしたの?」


「行きましょう!
たった25歳ごときで

後ろを振り返る必要などないのです!」



「…浦西…」



美春は浦西に手をひかれるまま

浦西宅をあとにした。
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