スコープ
あたりは徐々に

明るくなってくる




町には

ぽつり

ぽつりと

マラソンする人とか

散歩する人とかが


町をいきかっていて…




「眠らなくても朝はくるんだ…」
美春は素直に言った。



「…昔、ホラー映画をみて一晩寝れなかったことがあるじゃないですか」

微笑をうかべながら浦西は言った。


「あったねー…浦西に夜中なのに電話かけちゃったねー…」

美春はちょっと笑った。

「でも、それとまた違うの。

私達にはまだ夜で、あの人達には朝なの。

今の曖昧な時間が…すごくいいなぁって。」

< 41 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop