VOICE~鼓膜の甘い記憶~
「おはよう」



あれから、何度も夜を過ごし、朝を迎えた私たち。



今朝の和也の声が起き抜けの掠れた声。



その声で挨拶され、思わず私の鼓動が高鳴り、子宮が甘い快楽を求めてキュッと締まった。



場所はオフィスなのに、プライベートな感情が混同し、そのキモチが私の頬を染める。



「風邪ひいたみたい…」


和也は参ったようにこめかみを掻き苦笑い。


私は咄嗟にスカートのポケットから喉飴を取り出した。



和也の起き抜けの声はスキだけど、週末は二人で初めての旅行。



風邪は引かないでと言うキモチを添えて、喉飴を差し出した。



 END★








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