好きな人は、天然タラシ。
「で?朝比奈さんはいいの?福嶋誘わなくても」
「はいっ!?」
不意打ちの言葉に、顔がボンッと熱くなるのを感じた。
どこをどう見て、その言葉が出てきたの!?
好き好きオーラは、完璧に奥底に隠してあるはずなのに…!
赤くなった(であろう)私の顔を田岡さんは覗き込み、ニヤリと笑った。
「あ、やっぱり福嶋狙いなんだ?」
うっ、かまかけられた…!?
「ちちち違います!」
「いやいや、その焦りはねぇ?」
「違いますって!ほら、私なんて、もう期限切れてますしっ。かわいくて若い塚本さんもいるし!そんな、ね!」
ブンブンと手を左右に振る。
絶対にバレちゃダメ。
こんな虚しい恋心なんて。
頑張って否定し通すんだ、私っ!
「期限?それって年齢のこと?でも、俺らより若いだろ?まだまだだよ」
「若いって言っても一つだし、男と女じゃ年齢の意味合いが違う…」
「なぁ、福嶋、女の年齢なんて気にしないよな?」
「!」
何でそこで福嶋さんに振るの!
田岡さんの言葉で、福嶋さんが私の方を向いた。
目が合って、ドキンっと心臓が大きく跳ねる。
にこっと福嶋さんが笑った。
「年齢?全く気にならないけど。何?朝比奈さん、気にしてるの?」
「いやっ、あの」
わ~田岡さんのバカぁ!
年齢気にしてることを好きな人に知られるなんて、恥ずかしいって…!
「…何歳であろうと、俺は好きだよ?朝比奈さんのこと。」