好きな人は、天然タラシ。
弱い自分を年齢のせいにして。
私なんてって卑下して、無理だよできないよ、ってすぐに諦める癖がついてる。
増えたのは歳だけじゃなくて、すぐに諦めてしまう情けなさや弱さもだったんだ。
…そりゃそうだ。
こんなんじゃ歳を取るばっかりで、前になんて進めないはずだよね。
…まぁ、理由が何であっても…
福嶋さんとどうこうなるなんて高望み過ぎると思うけど。
「…タイムリミット、かな」
呟くように福嶋さんが言う。
タイムリミット…?
って何が?
福嶋さんはふぅ、と軽く息をついて、私のことを見た。
「…今日こそ絶対に伝えようって決めてきたんだ」
「…え?」
福嶋さんが私の顔を見つめる。