好きな人は、天然タラシ。
「しー。朝比奈さん、声大きいから。みんなに聞こえちゃうよ?いいの?」
「!」
私は咄嗟に、手で口を塞ぐ。
そこにいたのは、やっぱり福嶋さんだった。
全く悪気なんてないよって顔で、にこにこと笑ってる。
…悪いことしてるって思ってください!
「…ほんと、こんなところで何してるんです?」
「ん?ナニする?俺は構わないけど。むしろ大歓迎」
「はいっ?ちょ…や…っ!待って…っ」
するすると服の中に入ってくる福嶋さんの手。
直に触られるだけで、私の身体はビクッと反応する。
このままだとマズい!
「福嶋さんっ!ここ会社なんですけど…っ!」
「んー?イイデショ?今仕事時間じゃないし。ちゃんと鍵もかけてるから、誰も入れないよ」
「そういう問題じゃ…あっ…!」
「…ほら。声抑えないとバレるよ?」
「っ!…だ、誰のせいだと…っ」
ぐぐっと胸を押すけど、福嶋さんは離れてくれない。