好きな人は、天然タラシ。
「………………」
―――呆然とするしか、なかった。
だって。
口調は俺様なのに…
…何でそんなに真っ赤な顔してるんですか?
目の前にいる田岡さんの顔と耳は、どんだけだよ!って言いたくなるくらい、真っ赤だった。
しかも、ちゃんと見ると、キュッと唇を噛み締めてる。
緊張…してる、のかな…?
その態度が意外過ぎて、驚くしかなかった。
「……………田岡さんって…」
「…んだよ?」
次に飛び出したのは、必死に冷静さを繕っているような表情。
ドキッ!
―――――…ヤバい。
かわいい。
かわいい。
かわいい…!
ナニコレ?
胸がキュンってするんだけど!
…こんなの、初めてかもしれない。
男の人を『かわいい』って思うなんて。