好きな人は、天然タラシ。
 

福嶋さんはにっこりと笑う。


「もちろん。じゃあ、他の男も呼ぼうか」


「やった!福嶋さんとお食事なんて、嬉しいですっ」


かわいく両手を胸の前で合わせる塚本さん。


かわいいんだけど、『他の男なんていらないけど!』って、しっかり顔にも書いてあるからね?


若いと自分の気持ちを素直に表現できていいな~…と塚本さんを眺めていると、ひょこっと視界に福嶋さんが入ってきた。


「朝比奈さんも大丈夫?」


「えっ、は、はい」


――――あっ、しまった…!


つい、OKしちゃった…。


…塚本さんと並ぶなんて、年齢もお肌のツヤもテンションの高さも、差がハンパないんですけどぉぉ…


うぅ…


今さら行かないなんて…


「良かった」


「!」


福嶋さんが嬉しそうに笑った。


そんな顔されると、私の心臓も嬉しそうにリズムを打っちゃうし…。


ウサギが楽しそうにぴょんぴょんと跳ね回る姿が頭に浮かぶ。


今日が私の誕生日だと知られていなくても、一緒に過ごせるだけで嬉しいと思ってしまう私は、それだけ飢えていて…


福嶋さんのことが好きなんだと思う。


 
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