ブルーブラック2

「ふーん。じゃあ、今日はとことんまで付き合えるな?」
「何でそうなるんだよ」


長年変わらないやりとりを2人は続けて、数時間経った頃に江川が急に真面目な顔をして智に話題をあげた。


「なぁ、お前、生田さんどう思う?」
「···どうって?」
「お前、生田さんに――――」


江川が核心に触れようとした時だった。
智は手にしていたグラスをトンっとカウンターに置いて間を作り答えた。


「何もないよ」


ただ前を見据えて一言。
そんな智の顔を覗きこむかのように前のめりになり、江川がさらに突っ込む。


「本当か?」
「―――向こうが突っかかってくるだけで。相手になんかするわけないだろう」



< 101 / 388 >

この作品をシェア

pagetop