ブルーブラック2
智はそんな百合香に愛おしそうに微笑んで、静かにゆっくりと両腕で抱き上げるとすぐ隣の寝室へと移動させた。
いつも2人で寝るベッド。
そこに百合香の体を預けると、その手前に智は腰をおろし、再び百合香の顔を見る。
「―――俺は百合香を不安にさせてる··?」
手の甲で百合香の頬に触れながら一人呟く。
けれど、やはり目の前の愛しい人は返事をすることなく寝息を立てている。
「でも、君を守りたいだけだったんだ―――百合香」
ギシッとシーツに片手を沈めて自分の体を支える。
頬にキスをした後、唇へ。
想いを乗せて、伝えるように、伝わるように。
「愛してるよ」