ブルーブラック2

(なんだろう、この色っぽさは··!)


気だるい様子で目を開けて体を起こす智は何とも言えぬ色っぽさが出ていて百合香はつい顔を赤く染めてしまう。


「さ、智さん、珍しいですね!寝坊するなんて」
「え?今何時?」
「や、でもまだ充分間に合いますよ!7時過ぎですから」
「···そう」


ベッドから足を出した智を見て百合香はそう答えるとくるりとリビングへ体を向けて歩き出そうとした。

その時に不意に手首を掴まれて思わず声を上げてバランスを崩す。


「きゃっ··えっ?!」
「まだ、間に合うんだろう?」
「····どうしたんですか?」
「いや―――なんとなく、少しこうしてたい」


ベッドに座っている智に百合香は抱きしめられていた。
百合香も急な行動に最初は戸惑ったが、すぐに自分からも手を肩から背中に伸ばす様にして智の髪の毛に顔を埋める。


「ふふっ。くすぐったい」




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