ブルーブラック2

「ブレンド、インク??」


初めて聞く言葉だった。

百合香は富田の顔を見て不思議そうな目をすると、富田が説明を始めた。


「オリジナルインク販売に併せて店頭でさらにイベントを、とね。2日間だけだけど金山さんにお願いして、目の前でお客様の好きな色のインクをブレンドして作ってあげるという企画だよ」


その企画は本当に初めて聞く内容で、百合香は釘づけになった。


「お客様の理想になるべく近づけるようにインク色をつくるんだ」
「ちょっとしたバーみたいよ。色んな色のインクが並んであるのも綺麗だし、目の前でシェイカー使ってブレンドするんだから」


富田の説明に補足するように金山と美雪が順に百合香に言った。


「――すごい!そんなこともできるんですか」


百合香はますます次のイベントが待ち遠しくなった。



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