ブルーブラック2


「ああ!生田さん」


1階に戻るなり、美咲は声を掛けられて内心うんざりしていた。
しかし、仕事中なのは事実。そして自分は研修生の身ということも理解はしているつもりだ。


「はい。なんですか」
「どこいってたの?見えなかったけど」
「すみません、ちょっとお手洗いに」
「それにしても声は掛けて行ってって前に言ったよね?」


美咲を呼び止めたのは綾だった。

今日は江川が公休の為、綾が責任者代理になる。

美咲の指導は主に江川がやっているので、自動的に今日は綾が美咲を指導しなければならないのだ。


「はーい。すみませんでした。気をつけます」
「····」


明らかに心からの反省でないことが分かる謝罪に綾は呆れと怒りが交錯する。

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