ブルーブラック2


「どうかした?」


帰宅して洗い物をしている百合香に智が声を掛けた。


「何か様子がいつもと違う気がするけど」
「な、何もないですよ」


さすが鋭い智は百合香の異変を見逃さない。
けれど百合香がそれを誤魔化す様に洗い物を終えてキッチンから出てくる。


立ってエプロンを頭から外す百合香を見て、智が何かを言い掛ける――。


「ゆり···」
「あ!今日初めて知りましたよ!!」


百合香の表情がいつもと同じような明るいものになったので智は自分の話は置いておいて百合香の話に耳を傾けた。


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