ブルーブラック2

「今日富田さんに同席させてもらったんですけど、金山さんから!インクをブレンドして販売するなんて!」


百合香が智の横に座って前のめりで話をする。
そんな百合香を見て智は穏やかに微笑みながら言う。


「しかも、インクの命名はお客様がするんだ。シリアルナンバー発行して、そのナンバーで今後も注文できるようにする」
「やっぱり知ってたんだ!何も教えてくれないんだから!」


百合香が智の腕を掴んで軽く揺すりながらそういうと、智はされるがままの状態で答える。


「百合香には驚かせようと思ったから」
「いつもそんなのばっかり···」
「いちいち反応が可愛いんだよ」


そう言いながら智は掴まれていた腕を逆に握り返してゆっくりと百合香に影をつくる。




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