ブルーブラック2
トイレから戻った百合香は少し気まずそうに椿の待つ部屋へと戻った。
「何?食い過ぎ?それでこんなになったの?」
「···いや、そうじゃなくて···」
百合香が言いづらそうにお腹に手を当てて椿の向かいに腰を下ろすと椿はピンと来たようでその話にあまり触れないようにした。
「ああ。ま、いいけど···」
「それにしても、どうして椿が··?」
「いやほんと偶然。何人か人が集まってたから見てみたらその真ん中にうずくまってたのが姉ちゃんで」
「え··?!」
(私··あ、そうだ。とにかく走ってたんだ。走って走って···智さんに捕まらないように)
「義兄さんにもすぐ電話したんだけどさ」
「え?!!」
百合香の過剰な反応を見て椿が何かに勘づく。