ブルーブラック2
「“パライバトルマリン”・・・・で」
百合香にも聞こえてきたその名前はどうやらすでに考えてきていたようだった。
「パライバトルマリン――――ですね」
「はい。実は・・・誕生石の名前で」
少し照れながら、でも満足そうにそういう女性の顔が百合香に焼きついた。
「では、このシリアルを持ってきていただければ注文も出来るようになってますので」
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
「ありがとう。もしかしたらまた明日までに来てしまうかもしれないわ」
金山がアフターの説明をして百合香が頭を下げると女性はにこやかに百合香にそう答えて帰って行った。
「すみません。私もいいですか?」
ふと振り向くと長蛇の列が出来ていた。