ブルーブラック2
(思った色が出せているかな)
百合香はゆっくりと線をひいた。
金色に輝くペン先の割れ目から、程よい量のインクが滲み出てその色を表わした。
本当に少しだけ書いたところでペンを止めて静かに万年筆をペントレーに乗せると紙を両手にとってじっとその浮き上がる色を見つめた。
「どうだい?」
「···わりとイメージ通りかも!うまくいきました!ありがとうございます!!」
そこにあるのは深い緑色。
生い茂る新緑のような、木漏れ日を想像させるような···。
そんな力強いイメージのこのカラーは、百合香の中の智をイメージしたものだった。
「少しブルーにも近いこの感じ!すごいいいです!」
金山は目を細めて本当に満足そうに百合香を見て頷いていた。