ブルーブラック2
「ああ、もう少し文字を綴ってみるといい。少し書き続けるとまたちょっとカラーイメージが変わると思うから。それがまた楽しいんだ。」
金山がそう言ってまた新たな紙を差し出した。
(文字···)
ふと智からのメモを思い出した。
それに伴って、昨夜のことも―――。
「····」
百合香は無言になって紙と向き合う。
そしていつも書く決まり文句、“いつもお世話になっております”と無難な言葉を書き綴る。
その様子を食い入るようにじっと見つめていた金山が、一文を書き終えた百合香に言った。
「何か、あったのかな」