ブルーブラック2
ただでさえ誤解されているのに、さっきの発言。
昨日の件で自分が一番わかっている。
美咲とは、何もない。何か起きる筈なんかない。智は自分を裏切らない――。
(きっと、隼人くんは何か勘違いしてあんな風に)
「―――あのね、」
プルルルルッ
百合香が口を開くのと同時に隼人の携帯が鳴った。
二人は同時に音の鳴る方へ視線を送る。
隼人も、こんなときに――と思いながらも着信の相手が誰かだけでもと確認する。
「椿くん―――」
「え?」