ブルーブラック2
「は、隼人くん。違うのっ··」
百合香は真剣に怒る隼人を見て驚くが、まだ隼人には事実を伝えていなかったことに気が付いて説明をしようとする――
「何がですか。じゃあどうして今、ここで、生田と抱き合っていたんですか!」
「それは···」
それは確かに百合香にもわからないことだった。
なぜ、と言えば恐らくは美咲から抱きついてきたことなのだろうが、それを振り払わなかった意図まではまだ百合香にもわからない。
「今、目の前で起きていたことが何よりの証拠です!」
自分が正しいと信じている隼人はそう言い切ると再び百合香の手を取ろうとする。
が――――
「言っておく。百合香は生涯俺のものだ」