ブルーブラック2
「Yurika.“Y”―――???」
その名入れの“姓”の部分に引っかかる隼人に、誰かの声が聞こえた。
「―――それは柳瀬の“Y”だよ」
その声は智でも、百合香でもない。
3人は同時にその声の方を向くと、立っていたのは――――。
「つ、椿?!!」
「よぉ。姉ちゃん」
仕事帰りの椿がそこにいて、隼人の手にある“桜”を覗きこむようにしながらそれをスッと抜き取り、百合香の手に返した。
「椿、どうしてここに?」