ブルーブラック2
「さっき、隼人に電話して。近くにいるみたいだったから」
「え?じゃあさっきの電話は···」
それぞれ何が何だかという状態で、椿が口火を切った。
「···オレは隼人に話しておこうと思ったんだ」
「オレに?」
「そう。だって、きっと知らないんだろ?姉ちゃんの旦那さんは、そこにいる智さんだって」
「!!」
椿がいとも簡単に言った言葉に、隼人は驚愕する。
しかし今、見せて貰った“桜”から、もしかして――と思ってはいた。
「だから、余計な心配は無用だし、手を出すなんてまずオレが許さないし」
椿は後半部分は半分冗談めいた調子で隼人に言った。