ブルーブラック2
「―――私も···」
それは同じで、もっと自分のこの想いを、その都度伝えていたら良かったんだ。
そう百合香も思って智を見上げる。
「うん。だから――――」
智の両手が百合香の顔に添えられて、ゆっくりとその距離を縮める。
額がコツッっと静かにぶつかり合って、智は目を閉じて言う。
「もっともっと、言葉にしよう。例えそれでケンカになったとしても」
百合香はその言葉で今まで溜まっていたものが一気に涙と一緒に流れ出た。
それはもう、どうにも止まらない程の涙と重かった心。
「―――うっ···」
「大丈夫。何度でも言うよ。俺は君を離したりしない―――どんなことがあっても」