ブルーブラック2
「あの····病院のこと、なんですけど··」
どんなに聞き入れて貰える雰囲気でも、やはり百合香は目を合わせる程の気持ちの余裕がなくて、智の胸元に視線を合わせて話はじめた。
「その、私…やっぱり不安で―――」
そこまで言いかけた時に、再び智の腕が百合香をギュッと抱き締めた。
そして一言―――
「ごめん」
そう言われた百合香は、なぜそんなことを言われたのか唖然として顔を上げて目を合わせてしまう。
「君の不安を聞いてあげられなくて、言わせてあけられなくて、ごめん。」
百合香はまた泣きそうになるのを必死で堪えて首を頻りに横に振った。