ブルーブラック2
「百合香を尊重するよ」
その一言は嬉しくも、悲しくもある言葉。
自分の希望を聞いてくれるという一方で、全て自分任せにされている感じが否めない言葉。
正直に言うと、百合香はそう思わざるを得なかった。
次の言葉を聞くまでは。
「だけど、思いは一緒だよ。それは百合香に合わせてるわけじゃない」
「い··っしょ··?」
「そう。だけど、詳しくはまだ勉強してないからわからないけど、何かするにも負担がかかるのは女性である百合香だ。俺がそれを強要することはできないから···」
驚きの余り、放心状態になる百合香に智はふぅっと軽く息を吐いてから百合香の髪を撫でる。
「それでも百合香が頑張るって思えたなら、俺は全力でサポートするし、二人で乗り越えて行きたいと思ってる」
「さと···」
「百合香だけに身体の負担が大きく掛かるのはおそらく事実だから····俺が出来得ることを全てしてあげたいと思ってる」